救急外来で初期対応が求められる熱傷について、基礎知識をまとめました。
目次
ワンポイント
救急外来でよく見るcommon diseaseであり、初期対応は必須の知識である。
その多くはⅠ〜Ⅱ度熱傷であり、適切な軟膏処方が大事となる。
熱傷の面積
- 熱傷面積の大きさが予後や治療方針を決める上で重要な要素となる。
- 簡易的に熱傷面積を推定する方法として9の法則(大人)と5の法則(小児)が一般的である。
- 手掌を広げた面積を体表面の1%として算定する方法(手掌法)もある。
熱傷の深度
熱傷の深達度は肉眼的所見と症状(疼痛の有無)をあわせて評価する。
重症度分類
重症度分類として、Artzの重症度分類を用いて判断する。
軽症は外来、中等度は一般病院にて入院、重症は救急センターでの集中治療が必要である。
初期治療の軟膏選択
初期治療は重症度によって異なる。痛みを自覚しているⅡ度熱傷までの多くは軟膏処置で対応する。
POINT
- 熱傷は受傷してから24時間で深度と範囲が決まるので、患者さんに一言「明日皮膚科で最終的な確定診断をしてくださいね」と伝える。
- 受傷して15分ほど冷水で冷やすのが大事なことを患者教育する。
本記事は適宜、修正加筆しています。ガイドラインの改訂や新たな報告などがありましたら、お気軽にコメントやお問い合わせフォームからご連絡ください。
(参考文献)
熱傷診療ガイドライン改訂第2版
BMJ. 2006 Sep 30;333(7570):675. Epub 2006 Jul 31.
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