内科外来で除外診断としてウイルス性の急性上気道炎を疑った際に対症療法として使用する内服をまとめました。
合わせて、かぜ症状を呈して来院し、抗菌薬が必要になる際の疾患の一例をあげました。
※多数の成分が混合されている総合感冒薬はこの記事では取り扱っておりません
目次
発熱・疼痛一般
- アセトアミノフェン(例:カロナール®)1回400~500mg 頓用1日4回まで
咽頭痛
- イブプロフェン(例:ブルフェン®)1回200mg 頓用 1日3回まで
- ジクロフェナク(例:ボルタレン®)1回25-50mg 頓用 原則1日2回
- ロキソプロフェン(例:ロキソニン®)1回60mg 頓用 1日3回まで
※アセトアミノフェンとNSAIDsには風邪症状の緩和において有意差がなかったとの報告あり※NSAIDsは症状の緩和には一定の効果を示したが、有害事象は有意に高く感冒の治癒を遅らせたという報告あり
咳嗽
- デキストロメトルファン(例:メジコン®) 1回15~30mg 1日3~4回
- ジメモルファンリン(例:アストミン®) 1回10~20mg 1日3回
- クロフェダノール(例:コルドリン®)1回25mg 1日3回
- コデインリン酸(例:リン酸コデイン®) 1回10~20mg 1日3回
喀痰
- L – カルボシステイン(例:ムコダイン®)1回500mg 1日3回
- アンブロキソール(例:ムコソルバン®)1回15mg 1日3回
- ブロムヘキシン(例:ビソルボン®) 1回4mg 1日3回
鼻汁(アレルギー性鼻炎なし)
- d-クロルフェニラミン(例:ネオマレルミンTR®) 1回6mg 1日2回 2日間
※かぜによる鼻汁にエビデンスがあるのは第一世代抗ヒスタミン薬のみで眠気などの副作用が強い
※抗コリン作用で眠気に加え不整脈・尿閉の心配があるため、特に高齢者は避けるべき
※第一世代抗ヒスタミン薬は3日目以降プラセボと有意差がなくなる報告あり、2日間推奨とした
鼻汁(アレルギー性鼻炎あり)
- ロラタジン(例:クラリチン®) 1回10mg 1日2回
- モメタゾン(例:ナゾネックス®点鼻液)各鼻腔に2噴霧ずつ 1日1回
- フェキソフェナジン(例:アレグラ®)1回60mg 1日2回
- エピナスチン(例:アレジオン®)1回10~20mg 1日1回
- オロパタジン(例:アレロック®)1回5mg 1日2回 朝と就寝前
- レボセチリジン(例:ザイザル®)1回5mg 1日1回 就寝前
“かぜ症状” で来院し抗菌薬が必要となる一例
細菌性副鼻腔炎
第1選択
- アモキシシリン(例:サワシリン® or パセトシン®)1回500mg 1日3回 5~7日間
第2選択
- クラブラン酸/アモキシシリン (例:オーグメンチン®配合錠[375mg]+サワシリン®錠[250mg]) 1回各1錠 1日3回 5~7日間
溶連菌咽頭炎
第1選択
- ベンジルペニシリン ベンザチン水和物(バイシリンG®) 1回1g 1日3~4回 10日間 (空腹時)
第2選択
- アモキシシリン(サワシリン® or パセトシン®) 1回500mg 1日2~3回 10日間
本記事は適宜、修正加筆しています。ガイドラインの改訂や新たな報告などがありましたら、お気軽にコメントやお問い合わせフォームからご連絡ください。
(参考文献)
Ann Intern Med. 2016 Mar 15;164(6):425-34.
Korean J Fam Med. 2013 Jul;34(4):241-9.
Intern Med. 2007;46(15):1179-86. Epub 2007 Aug 2.
J Pharm Pharmacol. 1997 Oct;49(10):1045-9.
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